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PET(ペット関節ケア)

犬・猫も関節痛になるの?

犬や猫が関節痛になっても、私たちはなかなかその痛みに気付いてあげられません。それは、犬や猫が、痛みを隠す本能を持ち、痛みを伝える言葉を持っていないから。飼い主であるあなたが、ペットの行動に表れる「痛みのサイン」をキャッチすることが大切です。

犬・猫も関節痛になるの?

犬や猫も私たちと同じように関節炎になります。ときには強い関節痛を伴うこともあります。
でも、私たちはその「痛み」になかなか気付いてあげられません。犬や猫には、痛みを隠す「本能」があり、痛みを伝える「言葉」も持っていないからです。

こうした隠れてしまっている関節炎のことを「隠れ関節炎」といい、犬や猫には、決して少なくありません。ひょっとするとあなたのペットもそうかもしれません。

関節炎は進行すると、歩けなくなることもある怖い病気です。その病気に気付いてあげられるのは、飼い主である「あなた」です。散歩に行きたがらなくなったり、いつもと姿勢が違っていたり……。ちょっとした「痛み」のサインを見逃さないことが大切です。

犬や猫も関節痛になります

私たちの体は、ケガや炎症に反応し、さまざまな「痛み」を発します。この「痛み」というのは、体の異常を知らせる重要な信号です。私たちは、この痛みを感じることで命の危険を回避したり、悪くなった部分の治療をしたりすることができるのです。こうした体の危険を伝える痛みのことを「侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)」といいます。

犬や猫にもこの侵害受容性疼痛の機能が備わっています。体のどこかにケガや炎症などがあれば、私たち人間と同じように「痛い」と感じます。その1つの例が関節痛です。犬・猫の健康な関節でもお話ししたように、犬や猫も変形性関節症や関節リウマチといった関節の炎症を伴う病気になります。犬や猫の体は、こうした炎症に反応し、脳に「関節の異変」を伝えます。その結果、「関節の痛み」を感じるのです。

犬・猫の「痛み」には、なかなか気付くことができません

犬や猫に「痛み」があっても、私たちは、なかなかその事実に気付いてあげられません。とくに、関節炎などを原因とする「慢性的な痛み(関節痛)」には気付きにくいといわれています。

実際、国内の大学病院で行われた統計的調査では、関節の病気以外で同院を受診した10歳以上の犬(524頭)の約半分に関節疾患があり、そのうち半分の飼い主が病気の症状(たとえば痛みなど)に気付いていなかったという結果が出ています。(日本大学 生物資源科学部 獣医学科 枝村一弥先生 調べ)

犬や猫の痛みに気付けない1つの理由として、彼らは「言葉」を話せないことが挙げられます。人間同士であれば、「痛い」という事実や「どこがどのように痛いのか」ということを話し、伝えることができます。しかし、犬や猫は痛みを「言葉」として伝えることができません。そのため、症状がひどくなり、いつもの行動とは明らかに違う変化が出てくるまで、気付けないことも多いのです。

もう1つの理由としては、犬や猫が本来持っている「防御本能」が挙げられます。犬や猫の体には、自分の痛みを隠そうとする本能が備わっています。これは、野生だった頃の名残で、さまざまな外敵やライバルに「自分が弱っている」ということを悟られないようにするためのものです。

犬や猫を飼っている方は、「犬や猫は痛みを上手に伝えられない」ということを常に意識するようにしましょう。

ご注意)個人の体験にもとづくものです。
情報提供元:Hanarin54  犬名:Rin

関節痛を放置すると、全身の健康に影響を及ぼすことがあります

周囲が「隠れ関節炎」に気付かずに適切な対応をしないと、犬や猫の関節が悪化するだけではなく、全身の健康も損なう危険性をはらんでいます。

また、犬や猫の代表的な「関節炎を伴う病気」に、変形性関節症や関節リウマチがあります。これらの病気は、基本的に日々進行していくもので、根本的な治療法がない病気でもあります。そのため、一旦進行して、関節が破壊されてしまうと、最悪の場合、動けない状態になることもあります。また、炎症によって関節に痛みが生じると、その痛みから犬や猫は動くことを避けるようにもなってきます。

犬や猫にとって「動く」ということは、私たちが思っている以上に大切なことです。もともと犬や猫は外を歩き回り、獲物を追いかけながら生きてきた動物です。新しい場所を探索したり、走って何かを追いかけたりする本能的な行動欲求を持っています。こうした行動欲求が満たされないことは、犬や猫に大きなストレスを与えることになるのです。また、私たち人間と同じように、運動不足は肥満や全身の機能低下にもつながります。

犬・猫の健康を長く保つため、関節炎の症状である「痛み」にできるだけ早く気付いてあげることが大切なのです。

犬・猫の「痛み」をチェックしてみましょう

本来、動物は「痛みを隠す」という本能を持っていますが、例外的に信頼する飼い主の前では、犬や猫もそれほど「痛み」を隠さないといわれています。そして、その「痛み」は、犬・猫の行動にさまざまなサインとなって表れます。そのサインを見逃さないようにすれば、犬や猫の「関節痛」に気付いてあげることができます。

ここでは、そのサインを知る方法として、「動物のいたみ研究会[(公財)動物臨床医学研究所]」が作成した犬の慢性痛に関するチェックリストを紹介します。あなたのペットの「以前と現在の様子」を思い浮かべながら、チェックしてみてください。

●運動器疾患による「慢性痛を見抜くポイント」

散歩に行きたがらなくなった。散歩に行っても走らなくなり、ゆっくりと歩くようになった。
階段や段差の上り下りを嫌がるようになったり、その際の動作がゆっくりになった。
家の中や外であまり動かなくなった。
ソファー、イス、ベッドなどの高いところへ上り下りをしなくなった。
立ち上がるのがつらそうに見える。
元気がなくなったように見える。
飼い主や他の犬と、またはオモチャなどで遊びたがらなくなった。
尾を下げていることが多くなった。
跛行(はこう)(※)がある。
※足を引きずったり、ケンケンしながら歩くこと。または、足を全く地面に着かずに挙げながら歩くこと。
寝ている時間が長くなった、もしくは短くなった。

いかがですか。当てはまるものはありましたか?
1つでも当てはまる項目があれば、あなたのペットは「関節痛」で苦しんでいるかもしれません。
早めに、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。

【記事監修】日本大学 生物資源科学部 獣医学科 准教授 枝村一弥 先生