Human(ヒト関節ケア)
健康な関節とは?
いつの頃からか「歩く、走る」などの動作が思っていた通りにできなくなることがあります。これは加齢によって「健康な関節」が失われることも一因です。健康な関節を維持するためには、関節の機能や役割と「健康な関節」が損なわれる仕組みを知ることが大切です。
健康な関節とは?
骨、関節、筋肉、神経、皮膚、血管、消化器、循環器、脳……。人間の体は、さまざまな器官の集合体です。これらの器官がそれぞれに役割を持ち、複雑に連携することで、私たちは生かされています。
多くの器官の中でも関節は、私たちの運動機能を支える大切な役割を持っています。立つ、歩くはもちろん、走る、跳ぶ、押す、つかむなど、人間のあらゆる動作は「健康な関節」があることで可能になります。
しかし、普段私たちは関節の存在をほとんど意識していません。動作をするときに違和感を覚えたり、痛みを感じたりして初めて、関節の存在とそのありがたさに気付きます。
活力のある毎日を長く続けていくためには、普段から「健康な関節」について知り、考えていくことが大切なのです。
私たちの体は「骨格系」によって形づくられています
関節について考えるには、まず人体の基本となる「骨格系」を理解する必要があります。
「骨格系」というのは、体の骨格を形成する骨、軟骨、靭帯(じんたい)などの器官の総称で、もっとも代表的な器官が骨です。一般的な成人の体内には約200個の骨があり、互いに結合して体を形づくっています。身長や肩幅、腕や足の長さ、頭の形もこの骨の集まった「骨格」によって決定されます。
骨の役割には、①体の支柱となる「支持機能」、②内臓などを保護する「保護機能」、③骨に付着する筋肉や神経とともに動きを生み出す「運動機能」、④血液を作り出す「造血機能」の4つがあります。そして、この骨と骨が、つながっている部分が「関節」です。
「関節」はいくつかの種類に分類されています
骨と骨をつなぐ「関節」は、肘や膝、手首、足首など体のさまざまな部位に存在します。それぞれの関節は構造や形状、可動域(関節の動く範囲)に違いがあり、主にその3つの観点からいくつかの種類に分類されています。
運動を考える上でとくに重要なのが、「可動域」です。関節はそれぞれが本来持つ可動域に応じて、「不動関節」、「半関節」、「可動関節」の3つに分かれます。
不動関節は骨と骨の間に自由な隙間のない「動かない関節」で、頭蓋骨のつなぎ目などが、これにあたります。また、半関節は「少しだけ動く関節」を指し、恥骨の結合部が半関節に分類されます。そして、可動関節は骨と骨が十分な可動性をもって連結している「自由に動く関節」のことで、肘や膝、足首、肩などの関節が可動関節に分類されます。
「可動関節」は主に軟骨と滑膜、関節液、靭帯でできています
可動関節には、骨と骨が直接ぶつかり擦れ合わないように、関節軟骨という強い弾力性を持つ組織があり、それぞれの骨の表面を覆っています。この関節軟骨の主成分は、水分とⅡ型コラーゲン(コラーゲンの種類参照)です。関節軟骨は、関節に加わる衝撃を吸収し、なめらかな関節の動きを生み出しています。また、軟骨と軟骨の間には、関節が自由に動けるスペースとして関節腔という空間があり、関節腔の中は関節液という粘り気のある液体で満たされています。この関節液は潤滑油の役割を果たしており、関節内にある滑膜(かつまく)という組織から分泌されます。
そして、骨と骨をつなぎ、関節を形づくっているのが靭帯です。靭帯は、ひものような組織で、関節全体を補強し、関節の動く範囲を制限する役割を担っています。
これらの器官が一体になることで、関節はスムーズに動き、さまざまな動作を、痛みを感じることなく行うことができるのです。
「健康な関節」とは「正しい構造を保ち、十分な可動域を持つ関節」です
「健康な関節」という言葉から、多くの人の頭に浮かぶのは、肩や膝、肘などの「可動関節」でしょう。また実際、体の自由な動きをつかさどっているのはこの可動関節になります。
では、可動関節が正しく機能するためには何が必要なのでしょうか。
その1つは「関節の構造が本来あるべき姿」を保っていることです。先に説明したように、関節が衝撃を吸収し、スムーズに動けるのは、関節軟骨や滑膜、関節液、靭帯などが正しい構造を保ち、しっかり機能しているからです。逆に、関節軟骨がすり減ったり、滑膜の機能不全で関節液が補充されなくなったりすると、可動関節はその機能を果たすことができなくなってしまうのです。
そしてもう1つは、「十分な可動域が確保されていること」です。たとえ構造に異常がなくても、関節が別の要因でこわばったり、痛くて動かせなかったりしては、運動機能は損なわれてしまいます。それぞれの関節が、役割に応じた十分な可動域を保ってこそ、体は、柔軟で力強く動いてくれるのです。
加齢により「健康な関節」は失われていきます
若い頃は何気なく行っていた「歩く、走る、跳ぶ」などの日常動作も、高齢になると筋力(※)や体力が低下することで困難になっていきます。そうした老化現象の1つに関節機能の衰えもあります。
関節に弾力性をもたらしている関節軟骨は、加齢により水分量が減り、その厚みや弾力性が低下していきます。また、靭帯も加齢とともに柔軟性を失い、硬くなっていきます。その結果、関節の可動域が狭くなり、運動機能がどんどん低下していくのです。さらに、関節機能の低下はさまざまな関節疾患を引き起こし、「痛み(関節痛)」を伴うようになります。関節痛になると、その痛みからさらに関節の曲げ伸ばしができなくなり、加速度的に日常動作の機能が失われてしまいます。
ただし、こうした関節機能の衰えや、それにともなう関節痛は、日常生活のちょっとした工夫で予防することが可能です。関節痛の原因や症状、予防法を正しく理解し、少しでも長く健康な生活を続けていきましょう。
※ 高齢になるに伴い、筋肉の量が減少していく現象を「サルコペニア」と呼びます。一般的にサルコペニアは30代の頃から始まり、一生進行すると言われています。
ご利用の皆様へ / ご利用確認
このページは、健康食品・医薬品・化粧品業界の関係者および関連業務に携わっていらっしゃる方を対象に、適正にご使用いただくための情報提供を目的としたページです。
一般消費者の方に対する情報提供を、目的としたものではないことをご了承ください。
あなたは、健康食品・医薬品・化粧品業界の関係者および関連業務に携わっていらっしゃる方ですか?
該当される方は「はい」を、それ以外の方は「いいえ」をお選びください。
当社のウェブサイトにアクセスし、Lonzaが提供するサービスを使用することにより、当ウェブサイトの個人情報保護方針についてお客様は了解し、同意したものとみなされます。